呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

#ま行

マイティ・ソー バトルロイヤル

2018/04/12鑑賞 監督:タイカ・ワイティティ ラグナロクの預言を語る炎の巨人スルトを倒し、また前作で死んだはずのロキがなぜかオーディンになりすましてアスガルドを統治しているのでこれもしめたところで、ロキと一緒にオーディンを探しにいくと、ドクタ…

ミッドナイト・ミート・トレイン

2018/08/17鑑賞 監督:北村龍平 タブロイド紙に写真を売るレオン。その恋人のマヤは、画商のジャーギスを通してやり手の女性画商スーザン・ホフと会うことになったと言い、2人は警察無線の盗聴や特ダネ写真とおさらばできると喜ぶのだが、レオンの写真はス…

ムーンフォール

2022/07/30鑑賞 監督:ローランド・エメリッヒ 本作のネタバレをしています。 前半のジェットコースター映画っぷりはよく磨かれた骨董品を眺めるような楽しさがある(都合のいい偶然、すれ違い、家族の離反、逆算の演出)。情報提示も効率的で無駄がないと感…

密林の悪魔

2022/2/21鑑賞 監督:ニール・ブロムカンプ Netflixで公開されている短編シリーズのひとつで、ブロムカンプが独立系の制作会社Oats Studiosを立ち上げて以降の1作である。上映時間は26分。原題は”Firebase”なので、邦題はかなりの意訳。本作も以前Youtubeな…

モンタナの目撃者

2021/12/24鑑賞 監督:テイラー・シェリダン ある不正の調査を依頼された会計士は、ある朝ニュースで自分の依頼主が殺害されていることを知ると、身の危険を感じたのですぐさま息子を連れて逃亡を図るが、やがて差し向けられた追手の待ち伏せに遭い、反撃む…

マリグナント 凶暴な悪夢

2021/12/10鑑賞 監督:ジェームズ・ワン 重大なネタバレをしています。 3度繰り返した流産に悩んでいたマディソンは、ある日、夫との口論の末に壁に叩きつけられて後頭部を負傷してしまう。謝る夫をドアの向こうに拒絶して就寝した後、深夜に不審な物音で目…

宮本から君へ

2021/6/29鑑賞 監督:真利子哲也 営業マンの宮本浩は、前歯と腕を折り、顔面が腫れ上がるまで喧嘩したことで勤め先から叱責を受けるのだが、その喧嘩の内容については詳しく話そうとしないでいる。一方、中野靖子との結婚を報告しにお互いの両親を訪ねるのだ…

ミスター・ガラス

2019/1/18鑑賞 監督:M・ナイト・シャマラン 脚本の流れはかなりよかった。二人の超人の直接対決を出し惜しみせずに序盤からやってくれるのが嬉しい。その後は、ブルース・ウィリスもジェームズ・マカヴォイも一旦捕えられてしまうんだけれども、『羊たちの…

ムーンライティング

2015/6/20鑑賞 監督:イエジー・スコリモフスキ 出稼ぎをするために、ポーランドの不法労働者がイギリスで建物の改築を行う映画。途中、母国でクーデターが起こって帰れなくなるけど、リーダーはそれを仲間にひた隠しにする。あと盗みもやり出す。張りつめた…

メイク・アップ 狂気の3P

2017/7/4鑑賞 監督:ピーター・S・トレイナー 『ノック・ノック』の元ネタと聞いて。 『ファニーゲーム』とか『ある戦慄』みたいな、突然現れた二人組に市民がひたすら凌辱される趣向の映画で、その二人組がどちらも若い美女だという点が本作の、強いて言え…

ミスミソウ

2018/4/8鑑賞 監督:内藤瑛亮 押切蓮介による同名の漫画のかなり忠実な映画化だが、終盤の展開など一部が変更されている。 最初に三人を殺すところまでは最高。ロケーション最高。序盤の省略に次ぐ省略の編集最高。音のずり上げ最高。 場面転換に使われるカ…

マイル22

2019/01/25鑑賞 監督:ピーター・バーグ イコ・ウワイスを護送するガンアクション映画。 空間把握がダメで、位置関係がわかりにくいところはいつものピーター・バーグ。もちろんダイアローグの場面は顔の切り返しだけだが、そんなこと知ってて見ているので、…

見えない恐怖

2016/2/3鑑賞 監督:リチャード・フライシャー 叔父一家で暮らす盲の少女がある日帰ると、一家が惨殺されているのだが、盲なので気がつかないというアイデアで撮られた映画。 ちなみに殺人犯はブーツを履いた足だけが映される。足だから表情はない。 発見さ…

マリリン 七日間の恋

2013/8/3鑑賞 監督:サイモン・カーティス 素晴しい。川で泳いだデートの後の、疲労感を湛えた車内に差しこんでくる夕方の日の光に目を奪われた。あそこが飛び抜けて凄い。 基本的に主人公は「覗く人」であり、誰もがマリリン・モンロー(ミシェル・ウィリア…

湖のランスロ

2016/10/31鑑賞 監督:ロベール・ブレッソン めちゃくちゃ面白かった。アーサー王伝説の話なんだけど、いきなり騎士の首がチョンパして切断面が見えるわ、血がドバドバ出るわ、で即物的な中世残酷絵巻になっている。また、史劇という大きなものを、小さな形…

召使

2016/9/11鑑賞 監督:ジョセフ・ロージー すごいな。狭いはずの室内で、フレーム内フレームを駆使し、人間の顔をカメラ近くに置き、階段や鏡を使って、バロック的に豪華絢爛で広大な空間を造形している。 召使と主人のパワーバランスの変化が見どころ。最後…

民衆の敵

2013/9/4鑑賞 監督:ウィリアム・A・ウェルマン 現代劇としてのギャング映画というものをどういう気分で当時の観客が見たのか気になる。 野獣的な怒りと女性的な美を一身に宿しているキャグニーは稀有な俳優だ。拳で相手の頭に触れる仕草が癖になる。仇敵を…

ミラーズ・クロッシング

2015/1/3鑑賞 監督:コーエン兄弟 『血の収穫』的な物語をコーエン兄弟流の偶然に委ねている。望遠ショット多め、ギャグ少な目の硬質な作りが、逆にこのジャンルの分厚さに負けてしまうのではないか。もっとコーエン兄弟の領分で戦った方がいいのではないか…

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

2018/8/3鑑賞 監督:クリストファー・マッカリー 単純にアクションの造形を見ているだけでも、非常に面白かった。ワンシーンワンカットのHALO降下は『トゥモロー・ワールド』の長回しの応用としては最も馬鹿馬鹿しく面白いアイデアではないだろうか。耳鳴り…

マチネの終わりに

2020/06/18 鑑賞 監督:西谷弘 悪い意味で文学臭過ぎるセリフ、金持ちのスノッブ趣味、常に鳴るギターの劇伴、などがあまりに耐えがたく、映画を完全に破壊しているように思えた。一時間で見るのをやめた。 照明、編集など、随所に力量の高さが見えるものの…

真夏の方程式

2014/2/22鑑賞 監督:西谷弘 こんなに複雑で過去への引力に満ちた題材を映画として何とか成立させてしまえる西谷弘はすげえなあと思いながら観ていた。 マルチタスクばかりやる福山雅治のキャラクターや、情報機器の発達を、物語上複数ある題材の同時処理と…

マイレージ、マイライフ

2016/7/11鑑賞 監督:ジェイソン・ライトマン 家族愛のハッピーエンドを用意してもまるで信じていなさそうだった『サンキュー・スモーキング』の冷笑的態度からは離れ、今回は孤独の色が強く出ている。そのせいで、ちょっと内省的になって平凡に寄ったと思う…

乱れ雲

2018/3/26鑑賞 監督:成瀬巳喜男 成瀬の遺作。 『ひき逃げ』と同じく、交通事故がひとつのキーになっている。 葬式で司葉子と初めて会ったあと、出ていこうとする加山雄三に追いすがり睨み付ける司葉子。あるいは、夫との関係は続けられないということでカー…

モデル連続殺人!

2016/7/20鑑賞 監督:マリオ・バーヴァ ブライアン・ デ・パルマまで通底するドギつい偏執的な感覚。凝りすぎの美術、ギトギトした色彩、映画的創意工夫の数々。美女を殺す、殺す、殺す。揺れる赤い受話器。 会話シーンが弱くて眠たくなる。ジャーロ映画の良…

マジック・イン・ムーンライト

2016/1/14鑑賞 監督:ウディ・アレン うーん、微妙。 ペシミストな合理主義者と、霊視の得意なロマンティックな若い女性との出会いをラブコメにするでもなく、単純な二項対立のストーリーにしている。 照明はかなりいいけど、それ以外にいいところがあまりな…

名探偵ゴッド・アイ

2014/12/21鑑賞 監督:ジョニー・トー 元刑事で盲目の探偵をアンディ・ラウが演じている。 上映時間の大半、アンディ・ラウが何かを食べていたような気がする。 射撃、運転といった盲目設定から容易に想像できる見せ場はきちんと踏んでくれるし、ラストのト…

マーターズ

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">2015.11.30鑑賞 監督:パスカル・ロジェ ロジカルにあの世を見ようとするタイプの人が撮った作品。(すでに他の人が指摘しているが)高橋洋に似た性向を感じる。 人間は修羅場で物を正確に見ること…