- 監督:深作欣二
- すごい映画だった。
- この世に何一つ良いことをもたらしていなさそうなヤクザ男が、触れるもの全てを(主に不幸にもこの男に関わってしまったヤクザ達を)傷つけていく。
- 人の家(というかヤクザの家に)に上がり込んできて、背中まげて俯いて一言も喋らずにその場にじっとしていることで、厄介払いしたい相手が渋々金を渡す。何もせずに俯きながら金をとっていく姿が疫病神そのもの。
- 遺骨入った木箱を常に抱えながら歩き始めてキャラクターとして完成するところがある。遺骨かじり出す場面がやべー。
- 遺骨抱えて墓場をうろうろしていると、どこからともなく念仏が聞こえてくる。あの世と接続されるヤクザ映画。
- 演出がどうというより映っているものがすごい。出てくる人間の動機が全然分からず、何もかもめちゃくちゃになっていくこと自体の面白さがある。本歌取りをやってみたくなるような映画だった。
- カメラはかなりの確率で傾いており、荒っぽく揺れる。