呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

2020-12-26から1日間の記事一覧

ドラッグ・ウォー 毒戦

2014/9/2鑑賞 監督:ジョニー・トー 見た中ではジョニー・トーのベスト。 ファーストショットからして、中国本土の大気汚染を存分に利用した煙の映画であることは分かる。煙があるということは風もまた見えるということで、港にはためく赤い旗の群れや、遠く…

名探偵ゴッド・アイ

2014/12/21鑑賞 監督:ジョニー・トー 元刑事で盲目の探偵をアンディ・ラウが演じている。 上映時間の大半、アンディ・ラウが何かを食べていたような気がする。 射撃、運転といった盲目設定から容易に想像できる見せ場はきちんと踏んでくれるし、ラストのト…

ワンダーウーマン

2018/3/7鑑賞 監督:パティ・ジェンキンス 周囲が現実を説き、そんなのことは無理だと口々に言ってもまったく耳を貸さず、人を助けるために無人地帯に突っ込んでいくワンダーウーマンがとてもいい。その突破から、雪のなかでのぎこちない祝いのダンスまでが…

インフェルノ

2017.12.20鑑賞 監督:ロン・ハワード 『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズ。そういえば同名のアルジェントの映画があった。 辛くなってきたので途中で見るのをやめた。 『ラッシュ』→『白鯨との闘い』→本作、とロン・ハワードの近作に共通しているのはパラ…

エイリアン:コヴェナント

2017.9.30鑑賞 監督:リドリー・スコット 世評はとても悪く、それも仕方のない出来ではあるけど、個人的には人体損壊の美学が炸裂していて楽しんだ。 水面に浮かぶ美女の生首を何度も映したり、フェイスハガーに寄生されエイリアンの母体にされたあと抜け殻…

月曜日に乾杯!

2016.9.22鑑賞 監督:オタール・イオセリアーニ 素晴らしい。 前半は画面で常に面白いことが起きているか、起きつつあるかであり、それが複数同時展開する。ひとつひとつのアイデアやアクションが意外性をもっていて、かつ小規模に炸裂しては次々と繋がって…

婚期

2016.9.5鑑賞 監督:吉村公三郎 行き遅れた妹たちが、小姑として兄嫁と熾烈な嫌味合戦を繰り広げるホームドラマで、若尾文子、高峰三枝子、野添ひとみ、京マチ子が丁々発止の会話劇を繰り広げる。 造形性から言えば傑作。「歯医者で口を開いている人物のカッ…

女王陛下の戦士

2016.9.28鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 148分版を見た。傑作『ブラックブック』の雛形ではあるが、どこか青春群像的なところがあり、ストーリー展開はバーホーベンにしてはややとっ散らかっていてあれほど面白くはない。単純に女王陛下という存在を据…

白い足

2016.2.3鑑賞 監督:ジャン・グレミヨン 人々が分不相応なものを夢見ることで、やがて、ろくでもないことを引き起こす舞台装置がかちかちと配置されていく。 魚臭い主人にのしかかられてふと白痴のように固まる情婦。あるいは、城の跡取りに贈られたオルゴー…

イヌミチ

2016.1.22鑑賞 監督:万田邦敏 何でも選べるはずの自由な現代社会で、自由からほど遠い若い男女が、気の迷いで犬と飼い主の関係を結ぶという話。 特にコメディという枠組みもなく、自然な演技のなかで犬と飼い主のプレイをやる。一見、反理性的な内容なのだ…

トマホーク ガンマンvs食人族

2020.1.12鑑賞 監督:S・クレイグ・ザラー ゴアホラー寄りの、無慈悲な西部劇。なかなか面白かったけど、得意不得意がはっきりしている。 馬に乗った人を風景に収めるのは得意らしく、美しい。自然風景だけのショットも同様。ロングショットもまあ見れる。し…