呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

民衆の敵

2013/9/4鑑賞

  • 監督:ウィリアム・A・ウェルマン
  • 現代劇としてのギャング映画というものをどういう気分で当時の観客が見たのか気になる。
  • 野獣的な怒りと女性的な美を一身に宿しているキャグニーは稀有な俳優だ。拳で相手の頭に触れる仕草が癖になる。仇敵を殺す場面、馬を殺す場面、雨の夜の殴り込み、どれもオフスクリーンで処理しているのが様になっている。あの雨に濡れるキャグニーはほんと色っぽい。睫毛長いんだよ。それが最後あんなミノムシに……。
  • しかし、これを見るとやはり『パブリック・エネミーズ』のジョニー・デップ起用が志向していたものは、『デリンジャー』のウォーレン・オーツではなく、本作のギャグニ―だよね。顔の骨格的に。