呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

#1980年代

ザ・フォッグ

2018/10/26鑑賞 監督:ジョン・カーペンター 町の誕生100周年記念祭に沸き立つ小さな港町アントニオ・ベイ。だが、突如現れた濃霧が街を覆い、それに呼応するように、殺害直後にもかかわらず遺体が腐敗するという謎の殺人事件が発生する。 初期の作品で、シ…

プレデター

2018/02/27鑑賞 監督:ジョン・マクティアナン 密林に召集されたダッチ率いる特殊部隊が、ゲリラにさらわれた人質を助けるためにミッションに就くが、当のゲリラを壊滅させたところで、ミッションに隠された別の目的が明かされることになる。そして、救出が…

グレート・ウォリアーズ/欲望の剣

2016/9/3鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 卑しい顔をした聖職者が聖餅を配っているすぐ横では腹の出た女が酒をふるまっている戦場の混沌で、街を奪われた領主アーノルフィニは「なにをやってもいい」と傭兵どもを煽ることで、残虐の限りを尽くして街を取り…

ムーンライティング

2015/6/20鑑賞 監督:イエジー・スコリモフスキ 出稼ぎをするために、ポーランドの不法労働者がイギリスで建物の改築を行う映画。途中、母国でクーデターが起こって帰れなくなるけど、リーダーはそれを仲間にひた隠しにする。あと盗みもやり出す。張りつめた…

友だちのうちはどこ?

2020/1/9鑑賞 監督:アッバス・キアロスタミ 宿題のために絶対に必要な、友達のノートを間違えて持って帰ってきてしまったので、離れた友達の家まで届けに行くという話。主人公が小学生くらいの子供なので、『はじめてのおつかい』に近いハラハラ感がある。…

テラー・ビジョン

2016/3/27鑑賞 監督:テッド・ニコラウ とある一家が新しく購入した家庭用の衛星放送アンテナに雷が落ちたかと思いきや、そのアンテナを通じて遺棄された宇宙怪物が侵入し、一家を恐怖に陥れるのだった。 クリーチャーのデザインが良いのと、被害者一家が概…

ラ・ピラート

2016/10/27鑑賞 監督:ジャック・ドワイヨン ものすごいテンションで全力疾走する映画で、完全に置いてけぼりになってしまった。 人間たちが肉体を躍動させながら、性的に結び合ったり離れたりする映画というか、、、何とも内容を説明しがたい映画だけど、出…

フライングハイ

2016/12/12 監督:ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー 面白かった。1カットにつき必ず一つ荒唐無稽なギャグがある。飛行機は空港のロビーに突っ込み、ゼリーと胸は同時に揺れる。自動操縦機くん大活躍。 映画だと、どれだけ荒…

遊星からの物体X

2011/10/28鑑賞 2016/1/10鑑賞 監督:ジョン・カーペンター 傑作。SFホラーなだけでなく、クローズドサークルでのミステリ要素まであるので、かなり広いターゲットにオススメができる映画。こういう普通に友達に見せてもウケそうな映画はジョン・カーペン…

刑事グラハム/凍りついた欲望

2013/11/25鑑賞 監督:マイケル・マン 夜景、海の見える家、白く、蒼い画面、美への執念。 シネスコと大きな窓ガラスがあり、その窓ガラスを通して視線が欲望として顕現し、果てに暴力へと結実する。 『コラテラル』の殺し屋にそっくりなウィリアム・L・ピー…

雪の断章 -情熱-

2021/4/7鑑賞 監督:相米慎二 舞台は北海道。2人の男性に囲まれて育ったみなし児の少女が、殺人事件の容疑者になることで人生を狂わされ、やがて大人になっていくまでの物語。 なのだがストーリーは大体どうでもよくて、意外性に意外性をぶつけるような圧倒…

ベルタのモチーフ

2017/1/8鑑賞 監督:ホセ・ルイス・ゲリン 悪い意味で閉塞感がある。この内容で2時間見て貰えると思っているところが若くて傲慢だと思った。 だだっ広くてなにもない空間をまともに撮ると、感覚がだんだん病んでくる。撮るべき対象がないし平面的だ。少女が…

恋のゆくえ ~ファビュラス・ベイカー・ボーイズ~

2014/2/26鑑賞 監督:スティーブ・クローブス ピアニスト兄弟と女性ボーカルの三人組のどさ回り映画で、ピアニスト兄弟をジェフ・ブリッジスとボー・ブリッジスの兄弟が、そして女性ボーカリストをミシェル・ファイファーが演じている。何よりもミシェル・フ…

ドレミファ娘の血は騒ぐ

2017/2/7鑑賞 監督:黒沢清 脈絡なく強いショットが並ぶので興奮するけど、作品の制作背景にもなっている当時の時代背景や80年代のノリが古びてしまっていて、こういう時代があったんだなという感慨に耽ってしまう。ゴダールの影響を受けたシネフィルっぽい…

ロボコップ

2014/7/11鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 敵の攻撃を避けずに真正面から挑むヒーロー。 ロボコップ自体が作中の劇画ヒーローのパロディなのに、デトロイトの現実世界でも、劇画世界と変わりなく大活躍できるというのが最大の皮肉ではないのか。 低予算のせ…

死霊のはらわた

2013/11/7鑑賞 監督:サム・ライミ ロバート・キャンベルの濃い顔が本作を支えている(と言えば多分サム・ライミの多くの映画がその過剰さに見合った顔の俳優に支えられているのかもしれないが)。 ただ本作の過剰な多視点と妙な構図からは、映画小僧として…

カニバイシュ

2016/11/23 鑑賞 監督:マノエル・ド・オリヴェイラ 特集上映「永遠のオリヴェイラ」で見た。原題は”Os Canibais”とのこと。 非常に変な映画である。舞台は、時代も場所も不明などこかの上流貴族の舞踏会。黒塗りの高級車に乗った貴族が続々と現れ、晩餐会が…

飛行士の妻

2020/04/22鑑賞 監督:エリック・ロメール ロメールの映画は大体のところ、①人工的でよくできた脚本を、②生っぽい撮影によって崩していくという手法で撮られていると思しいのだが、これもそんな感じ。 その場の作り話や嘘で話を転がしていくことや、都合のい…

海辺のポーリーヌ

2014/12/22鑑賞 監督:エリック・ロメール アマンダ・ラングレの肉々しい後ろ姿がものすごくエロかった。ロメールはエロさを恩寵か何かだと思っている節がある。 人物配置を転がしていくだけで観客を引っ張り続ける脚本の巧さも目についた。

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

2015/12/26鑑賞 監督:アキ・カウリスマキ スーツで決めたカウボーイズの全員が、ポンパドゥールとサングラスと先のとんがった靴で揃えながらすごい編成でダサい音楽を演奏する、というファーストシーンから出オチ。しかも次のシーンではトラクターを運転し…

悲情城市

2016/4/30鑑賞 監督:侯孝賢 これまで個人的な経験に基づいた作品を撮ってきたこの監督が祖国の歴史的題材に挑む、転換的な作品ということらしい。映画は1945年の玉音放送から始まり、「第二次世界大戦終結」→「日本による台湾統治の終焉」→「二・二八事…