呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

2021-01-21から1日間の記事一覧

大菩薩峠

2014/6/9鑑賞 監督:三隅研次 繰り返し映画化されているが、これはいわゆる「大映版」。 闇討ちの場面で、市川雷蔵が刀を抜くと身体はシルエットになり、代わりに刀が光る。見たとおりの邪剣。 また、霧とセットが物凄いが、セットを見せるための広い構図や…

飛行士の妻

2020/04/22鑑賞 監督:エリック・ロメール ロメールの映画は大体のところ、①人工的でよくできた脚本を、②生っぽい撮影によって崩していくという手法で撮られていると思しいのだが、これもそんな感じ。 その場の作り話や嘘で話を転がしていくことや、都合のい…

海辺のポーリーヌ

2014/12/22鑑賞 監督:エリック・ロメール アマンダ・ラングレの肉々しい後ろ姿がものすごくエロかった。ロメールはエロさを恩寵か何かだと思っている節がある。 人物配置を転がしていくだけで観客を引っ張り続ける脚本の巧さも目についた。

リミッツ・オブ・コントロール

2013/12/17鑑賞 監督:ジム・ジャームッシュ 『コズモポリス』と似ているが、静かだ。そして赤い。 最後に余計なメッセージを入れてこちらを白けさせなければジャームッシュ最高傑作だと思ったのに。 とはいえ、それでも痺れてしまう。悔しい。 色んな人間と…

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

2014/2/20鑑賞 監督:ジョー・ジョンストン 面白い。MCUフェーズ1で一番いい映画だと思うし、全フェーズを通じても一番かもしれない。 フィクションであること、プロパガンダであることを自覚的に作品に取り込んでいて、キャップが国債集めに駆り出される場…

真夏の方程式

2014/2/22鑑賞 監督:西谷弘 こんなに複雑で過去への引力に満ちた題材を映画として何とか成立させてしまえる西谷弘はすげえなあと思いながら観ていた。 マルチタスクばかりやる福山雅治のキャラクターや、情報機器の発達を、物語上複数ある題材の同時処理と…

ストロンボリ

2014/6/3鑑賞 監督:ロバート・ロッセリーニ スペクタクルに感じたのはバーグマンでも火山でもなく、マグロ漁だった。船の上に密集して並び立つ男たちが引き揚げ始めても中々姿を見せないマグロは、まず水飛沫と不気味な音として現れ、しばらくして水飛沫が…

座頭市血煙り街道

2014/6/4鑑賞 監督:三隅研次 勝新の殺陣の荒唐無稽さがよくわかる一本。段差に転げながら斬る、柵越しに斬る。 ラストの近衛十四郎との殺陣の途中に、木の骨組みに引っ掛かって一回転後ろにひっくり返ったかと思えば、刀の先から血が流れてきて、近衛十四郎…

ヴァン・ヘルシング

2014/7/21鑑賞 監督:スティーヴン・ソマーズ 劇場以来、2回目。大好きなんだよなこれ。 謎の回転ブレード、二丁拳銃、高圧ガス式連射ボウガン、閃光爆弾、銀の杭といった数々の武器が出てくるのが楽しいし、ジキルとハイド、吸血鬼、ハーピィ(?)、狼男…

赤ちゃん教育

2013/9/5鑑賞 監督:ハワード・ホークス 軽い気持ちで見始めたら、いつの間にか最後まで見てしまっている。ホークスはクラシック映画の中でも一番見やすいし、誰でも楽しめると思う。 ハントを軸にとことんホークス的な要素が入り乱れる圧巻のコメディ。その…

ヒズ・ガール・フライデー

2012/10/15鑑賞 監督:ハワード・ホークス ホークスらしいハント(狩り)のお話。好きな女を捕まえるという目的に、手段を選ばないという制限解除を与えただけで、ここまで何でもないお話が転がりに転がり、面白くなるというのは感動的だ。そして、弾丸のよ…