呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

マーターズ

2015.11.30鑑賞
  • 監督:パスカル・ロジェ
  • ロジカルにあの世を見ようとするタイプの人が撮った作品。(すでに他の人が指摘しているが)高橋洋に似た性向を感じる。
  • 人間は修羅場で物を正確に見ることができないので、アップカットにアップカットを繋ぎ、カット数も多くなる、という作り手の思想が見える。そのため、観客をクールダウンさせるときにはロングショットを撮るというわけだ。
  • 最後のマーターの姿が、『裁かるゝジャンヌ 』のジャンヌや『マイノリティ・リポート』のアガサに接近することには不思議な縁を感じる。この監督はセクトもの好きだよな。終盤はやや手温く、難しいだろう主人公が殉教者になるまでの過程をハショっている感は否めない。