呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ベルタのモチーフ

2017/1/8鑑賞

  • 監督:ホセ・ルイス・ゲリン
  • 悪い意味で閉塞感がある。この内容で2時間見て貰えると思っているところが若くて傲慢だと思った。
  • だだっ広くてなにもない空間をまともに撮ると、感覚がだんだん病んでくる。撮るべき対象がないし平面的だ。少女が自転車を走らせるけど、結局どこにも向かわない。
  • モノクロ映画で、全体的に白と黒のコントラストが弱いが、一部に強い画がある。夜の帳を利用した撮影はなかなかいい。
  • ベルタはひたすら「見る人」なのだけれど、基本的にそれに対してあまり能動的な反応や行動が返ってくることはない。しかし、(病んだ三角帽の男の)奥さんと対面する場面では、彼女とベルタを切り返す強いショットがあって、この映画はここまでをひたすら準備していたのだと思った。