呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

2021-04-08から1日間の記事一覧

華氏451度

2012/7/22鑑賞 監督:フランソワ・トリュフォー 自分が初めて見たトリュフォーだけど、なんだこのヒッチコックは、というぐらいヒッチコックの模倣ばかりで出来ていて吃驚した記憶がある。 撮影監督にニコラス・ローグ。 スピルバーグが『マイノリティ・リポ…

刑事グラハム/凍りついた欲望

2013/11/25鑑賞 監督:マイケル・マン 夜景、海の見える家、白く、蒼い画面、美への執念。 シネスコと大きな窓ガラスがあり、その窓ガラスを通して視線が欲望として顕現し、果てに暴力へと結実する。 『コラテラル』の殺し屋にそっくりなウィリアム・L・ピー…

羊たちの沈黙

2013/11/20鑑賞 監督:ジョナサン・デミ ハンニバル・レクターの怖さを、会う人間会う人間が口にする説明台詞ではなく、そこに至るまでの鉄格子の数でもなく、プラスチック張りの牢屋の中に突っ立ってる一枚絵で納得させ、美しいクローズアップのつるべ打ち…

夜よ、こんにちは

2013/11/18鑑賞 監督:マルコ・ベロッキオ 傑作だ。 歴史さえ、視点と空間を限定することによって現在の物語として、そしてフィクションとして撮ることができるし、偏った視点こそフィクションなのだということを思い知らされる。 実際にあった事件を題材に…

ダイアナ

2016/5/26鑑賞 監督:オリヴァー・ヒルシュピーゲル ウェールズ公妃ダイアナの最後の2年間を描いた伝記映画で、ダイアナ役はナオミ・ワッツ。 15年程度しか経っていない事件に対して企画を立てるというのもどうかと思うが、素材としても意外に難しい題材…

サウルの息子

2016/7/19鑑賞 監督:ネメシュ・ラースロー Wikipediaによれば、「第二次世界大戦中のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を舞台に、ゾンダーコマンドの囚人であるハンガリー人の男サウルに起きる一日半の出来事を描く」とのこと。 最後まで見れるくらい…

サンゲリア

2016/7/26鑑賞 監督:ルチオ・フルチ めっちゃくちゃかっこいい。 あの薄ぼんやりとした日中にぬけぬけと出てくる灰をかぶったようなゾンビたち! 水中でサメと戦うゾンビ! 眼球をえぐられる女性! ゆっくりとゾンビたちが村に湧き出てくるところ! この名…

狂気の行方

2014/5/31鑑賞 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 実母を殺害した立てこもり犯の話で、動きがほとんど全くない映画である。HOWではなくWHYを追うので腰を据えて小説でも読んでいる気分になるし、オチも脱力させられる。 活劇を予感させながらすべてをハズして…

雪の断章 -情熱-

2021/4/7鑑賞 監督:相米慎二 舞台は北海道。2人の男性に囲まれて育ったみなし児の少女が、殺人事件の容疑者になることで人生を狂わされ、やがて大人になっていくまでの物語。 なのだがストーリーは大体どうでもよくて、意外性に意外性をぶつけるような圧倒…