2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
2018/03/19鑑賞 監督:ジョセフ・ロージー 面白かった。 冒頭、事故で横転した自動車をガラス張りの箱として扱い、そこに動かない人間が詰め込まれているといった感触の撮り方。ショーウィンドウのマネキンを転がしたような独特の不気味さがあった。 トラウ…
2018/08/07鑑賞 監督:山崎貴 よく出来ているし楽しんだ。 母親との感情の繋がりは手のクローズアップに収める。寄生生物には協調性がないから会話中も互いを見ないで別々の方向を向いている。どちらも映画的な美点だ。 水族館にて「一クラス3秒で皆殺しに…
2017/1/21鑑賞 監督:深作欣二 見た人がみんな高岡早紀のおっぱいにばかり言及する怪作だが……絵作りはされていて、狭い構図で役者をとにかく動かすので面白い。首はごろごろ転がっていく。吉良家討ち入りのところで、お岩さんが特殊効果でバーンっと大活躍し…
2017/11/17鑑賞 監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 主演はマレーネ・ディートリヒ。 照明が、非常に凝っていて影がいたるところに落ちている。ディゾルブも多いが、これはあまり好きではない。 冒頭では、間諜の道を薦めてくる老いた男を追い出したあと…
2017/7/15鑑賞 監督:ギャビン・オコナー コミックヒーロー的なアクション映画と、自閉症のプレゼンテーションが混ざったような変な映画。自閉症=天才みたいな描き方はコミックの設定としてはいいけど、啓蒙的な意図があるなら不味いんじゃないだろうか。適…
2016/12/11鑑賞 監督:ボリス・バルネット 言わずと知れた傑作で、野外で撮影されたとは信じられないほど奇跡的に美しいショットばかり出てくる。 液体でできた鏡のごとき海。ほとばしる陽光。涙のようにこぼれる真珠。
2017/1/13鑑賞 監督:三隅研次 まことに贅沢ながら、三隅のベストラインから比較すると陰影や人工性など、ショットが弱いと感じてしまう。けど、面白かった。三隅で実録ものって新鮮だな。 容易に男女を見つめ合わせたくないという演出方針が見える。最初の…
2016/12/4鑑賞 監督:ジャック・ターナー ドロドロとした人間関係、血みどろの喧嘩、人民法廷、インディアンの容赦のない襲撃、などが水辺や紅葉した森といった美しい風景の牧歌的な生活のなかで描かれていく。そして劇的な場面は省略する。ターナーらしい上…
2016/12/18鑑賞 監督:ギャレス・エドワーズ 劇場で見たことを後悔するほどつまらなかった。室内照明が酷くて、画面が暗すぎ、どこを見ればいいのかがわからない。芝居に興味がないのか役者が棒立ちできつい。主役が主役の顔じゃないし、ドニー・イェン以外…
2016/12/10鑑賞 監督:エドガー・G・ウルマー しかめっ面で激しいピアノを弾くトム・ニールに笑っていたら、いきなりの雨でヒッチハイクを断ち切り、天候も車もジャンルも変形する。冗談のように訪れる死。ダメ押しの悪女はまったく反論を許さない。 どう考…
2016/7/8鑑賞 監督:ジョルジュ・フランジュ 画面で起きていることもさほど多くなく、この脚本のテンポは辛かった。 詳細な皮膚移植手術をかなり直接的に映すところや、失敗した顔面が時間とともに崩壊していく記録写真の場面など趣味嗜好を表現するところは…
2016/7/11鑑賞 監督:ジェイソン・ライトマン 家族愛のハッピーエンドを用意してもまるで信じていなさそうだった『サンキュー・スモーキング』の冷笑的態度からは離れ、今回は孤独の色が強く出ている。そのせいで、ちょっと内省的になって平凡に寄ったと思う…
2016/9/4鑑賞 監督:ジョシュ・トランク 製作の過程でかなり作家性を殺されたんだろうが、完全に事故・トラウマとして描写されるオリジンエピソードを中心に、陰惨でグロテスクなイメージがところどころに残っている。特に、岩に閉じ込められて「助けてリー…
2016/10/6鑑賞 監督:ルイス・ブニュエル 俗っぽくて、見やすいブニュエル。 脚から見せるカットが続くなと思ったら、ちゃんとビリディアナが脱ぐ、脚フェチショットが入る。 聖と俗の対比があちこちにあって、祈りの場面と、家を改築する工事のドロドロぐち…
2016/12/14鑑賞 監督:トビー・フーパー トビー・フーパー全開といった調子。展開にもうちょっとメリハリが欲しいけど、異様な質感の映像だった。ほぼセットでの撮影ということもあって、人工性が強く出ている。 妙な電子音楽が流れたり、悲鳴があちこちであ…
2017/2/19鑑賞 監督:ダグラス・サーク アイルランド独立運動を題材にとった歴史コスプレエンタメ映画で、クオリティは高いと思うけど、いきなり殴り合いをはじめるようなアイルランドの牧歌的な粗暴さがサークの資質にあっていないように思えてアクション全…
2017/3/19鑑賞 監督:イエジー・スコリモフスキ 面白くなる気配がなかったので途中退出。
2017/5/1鑑賞 監督:増村保造 見ていると異様な感覚になってくる。姑と嫁が、医者の旦那の麻酔薬人体実験の被験体になろうとする謎バトルが展開される。脳を麻酔に侵された猫が四肢を悶えさせるところもやばい。動物実験パートはワイズマンの『霊長類』を思…
2017/5/11鑑賞 監督:バイロン・ハスキン 軍隊アリのパニック映画だが、エリノア・パーカーとチャールトン・ヘストンの恋愛がストーリーの大きい位置を占める。 女優を美しく撮ることについては、当時のスタジオの底力を感じた。 ダムを破壊したあとの濁流は…
2016/9/16鑑賞 監督:アンソニー・マン リンカーンやピンカートンといった固有名詞にまつわる歴史はあまり反映されず、地味な列車サスペンスが展開される。この路線だと『その女を殺せ』と比べてしまうな。 境界を置いて、その両側の人間を撮ってバレるかバ…
2016/9/13鑑賞 監督:M・ナイト・シャマラン 要素要素は平凡なんだけど、それぞれ微妙にズレていて異様なバランスになっている。ロジックが見えないし、才能がないと撮れないなと思わされる。 日常、美しさ、キモさ、狂気、恐怖、ベタなメロドラマなどが渾然…
2016/8/27鑑賞 監督:イエジー・スコリモフスキ ある精神病院にやってきた男が、患者たちのクリケットを見ながら、声で人を殺せると宣言する男の話を聞く。その話とはこうだ。とあるオルガン弾きの男のところに、18年間暮らしたオーストラリアで魔術を覚え…
2017/8/21鑑賞 監督:エドガー・ライト 音楽との同期というより、最初に完璧な同期を見せておいて、それがズレていくことに主眼がある。あるいは音楽に夾雑物が入ってくるところを見せることによって段々と事態がコントロールから外れていっていることを演出…
2017/9/9鑑賞 監督:黒沢清 つまらない。 タイトルが出るまでは最高だった。女子高生の制服を血で汚して、車道のど真ん中を歩かせるだけですごい効果がある。奥行きがつぶれて平面的なのもいいし、音楽も景気がいい。 思うに、宇宙人のとる特異な行動が「概…
2017/9/10鑑賞 監督:ケリー・ライヒャルト オムニバス形式の映画で、主演はローラ・ダーンとクリステン・スチュワート。 素晴らしかった。ダウナーな雰囲気のなか癒されていくといった感じで、3話目の女弁護士と牧場の女性の密会は特に画面に力が込められ…
2017/10/29鑑賞 監督:内藤瑛亮 登場人物はアイドルグループで、出てくる怪奇はターボばばあという、一度見かけたら忘れられないインパクトの企画。 こんな題材なのに照明のレベルが、ヨーロッパの芸術映画か何かのように高い。 ばぁばにご飯を食べさせてい…
2017/11/1鑑賞 監督:デヴィッド・リーチ シャーリーズ・セロン主演で、コミック原作のアクション映画。 ベルリンの壁崩壊という混乱の直前にあって、信頼できない語り手が顛末を語り、実際のところ筋もかなりもやもやとして掴みどころがない。画面のつくり…
2017/11/28鑑賞 監督:アンソニー・マン 面白かった。ルース・ローマンにガイドとして雇われる場面で、初めて夜の画面になり、また珍しくクローズアップが使われる。後々の伏線になる場面でもあるので、その意味で強調しているのかもしれないが、視覚的にも…
2018/3/26鑑賞 監督:成瀬巳喜男 成瀬の遺作。 『ひき逃げ』と同じく、交通事故がひとつのキーになっている。 葬式で司葉子と初めて会ったあと、出ていこうとする加山雄三に追いすがり睨み付ける司葉子。あるいは、夫との関係は続けられないということでカー…
2018/3/11鑑賞 監督:成瀬巳喜男 子供をひき逃げしたが、夫に説得されてその事実を隠蔽した女性(司葉子)と、それを暴くために家政婦として潜入する子供の母親(高峰秀子)の対決?を描いた映画。 高峰秀子が 酔っぱらって踊る場面での大きく揺れるカメラ。…