呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ひき逃げ

2018/3/11鑑賞

  • 監督:成瀬巳喜男
  • 子供をひき逃げしたが、夫に説得されてその事実を隠蔽した女性(司葉子)と、それを暴くために家政婦として潜入する子供の母親(高峰秀子)の対決?を描いた映画。
  • 高峰秀子が 酔っぱらって踊る場面での大きく揺れるカメラ。ジェットコースターからの主観ショット。自動車の行きかう道路を横断するという、ただそれだけなのに恐ろしいサスペンス。子供を橋やジェットコースターから落とす妄想。『女の中にいる他人』と共通したネガポジ反転。普通、成瀬がやるとは思われていないような崩した演出が頻発する。
  • 成瀬の死があと10年先だったら、サイコスリラーなんかも撮っていたのだろうかと妄想してしまうような映画だった。