呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

できごと

2018/03/19鑑賞

  • 監督:ジョセフ・ロージー
  • 面白かった。
  • 冒頭、事故で横転した自動車をガラス張りの箱として扱い、そこに動かない人間が詰め込まれているといった感触の撮り方。ショーウィンドウのマネキンを転がしたような独特の不気味さがあった。
  • トラウマ的な手法で回想に入って、するとカメラ(観客)の方を向いている青年が映る。向かい側にいる相手と話しているのかな?と思っているとカメラが引いていき、実はその話し相手は青年の真横にいることがわかる。こいつら全然向かい合っていないじゃないか、という知的なショットがある。
  • 教え子二人と小舟に乗る場面では、最初にいきなり草木で画面を隠すというスカしから入って、そのあとはオールを漕ぐという労働と、女学生の太ももを盗み見する狭い構図のカットの反復で妖しい雰囲気を醸成していた。
  • 全体的に昼の場面のほうが好きなので、前半のほうが好きだ。ピンクがかった綺麗な夕日をすぐにパンして、カットして進んでいったり......キッチンの窓越しにボールを投げたり、テニスしたり。決めた部分とラフな感じのバランスが心地よかった。