2016/5/26鑑賞
- 監督:オリヴァー・ヒルシュピーゲル
- ウェールズ公妃ダイアナの最後の2年間を描いた伝記映画で、ダイアナ役はナオミ・ワッツ。
- 15年程度しか経っていない事件に対して企画を立てるというのもどうかと思うが、素材としても意外に難しい題材だと思う。
- 周囲からの視線、新聞記事、パパラッチの群れといったものがダイアナの前に現れる障害なんだけど、障害としてはいまひとつ間接的で、それと対決する方法が具体的・能動的なアクションになりにくいという問題に悩まされている映画だと思った。唯一、ダイアナが地雷原を歩く場面は具象化に成功していた。
- 一番劇的で有名なシーンを基本的に避けて描写しないという方針は正しいと感じるが、その根拠を言語化しようとすると上手く言葉にならない。一般に、映画は小説に似て卑近さや日常との相性がよく、劇的な場面の演出は難しい、ということは自説として持っている。なぜなら実写映画は、基本的には何を描くにも実物が必要になるので、日常的な題材から離れれば離れるほど予算のかかったセットや、職業俳優や、特殊効果などが必要になるからだ、、、とまで書いたがこれは小説にはまったくない事情によるものだな。
- 携帯電話も難しい小道具だという思いを強めた。