呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

フランシス・ハ

2016/5/24鑑賞

  • 監督:ノア・バームバック
  • フランシス、女、27歳、大柄、ダンサー実習生、親友とは喧嘩、住所不確定、金なし、彼氏ナシ、職なし、みたいな映画であった。モノクロ映画でジャンプカットを使い、都市部の野性的な男女の日常風景撮るのでいかにもヌーヴェルバーグの影響下にある映画という感じだけど、センスがやっぱニューヨーカーだなと思うところも多い。
  • マンブルコアというゼロ年代アメリカを代表する映画ムーヴメントの一作らしいけど、日本ではほぼ無視されてるんじゃないかというくらい入って来てないぞマンブルコア。ロメールとか『デス・プルーフ』の前半とか、『アメリカの影』とかジャームッシュとか好きなんで、当然これも悪くないです。
  • 金がなくなって実家に帰ったり、友人の家を転々としたり、唐突にパリ旅行してさらに困窮に陥ったり、街をさまよったり、バイト三昧に浸ったりしながら一瞬、あまりにも金が無くて自然界に帰っていたのが面白かった。徹底的に都市部の人が撮ってるからあれはギャグになるわけだね。
  • フランシスと境遇がかぶる人にとっては結構切実で辛い映画だと思う。