2019/6/12鑑賞
- 監督:マイケル・ドハティ
良かったところ
良くなかったところ
- 怪獣の決めの画はあっても、持続するロングショットが少なく、空間の使い方にアイデアがあまりない。ギャレスがあれほど精緻を尽くしたロングショットを連発していたこともあって、続編映画としてみると不満が大きい。やっぱギャレスって脳に汗かいて作ってたんだなと思いました。とはいえこれはドハティ監督に不公平な評価だろう。怪獣映画の平均的な出来のよさを考えると、普通に水準以上の作品だと思う。
- アメリカ政府直轄のはずであるモナーク機関の警備がザル。特に別基地の襲撃情報があったはずの南極基地であのザマはひどすぎる。まあ怪獣映画だから仕方ないか......とはあまり言いたくない。最終的にモナーク機関が火力差で押し切られるということでいいので、せめてもうちょっと「奮戦虚しく敗れた」という演出をして欲しかった。
- 「人間は地球の害虫」みたいな、粗雑で黙示録的な環境保護思想を科学者に語らせるのは、そろそろ勘弁してほしい。これも怪獣映画だから仕方ないか......とはあまり言いたくない。
- 公聴会の場面は、(前作の映像にあたる)ムートーの交尾映像にモザイクかけてたところを見ると、ギャグとして構成されているのだろうと思った。そういえば公聴会フェチだった伊藤計劃ならどう見ただろうか。
- ラドンの誘導を任せられた飛行部隊は、現実で同じことがあったとしたらまず生還は難しいと思われるし、実際映画でも全滅したのに、命令する側にもされる側にも殉職者が出ることが確実な作戦だという緊張感が全くない。もう少しここも説得力を出せなかっただろうか。
- 伊福部は良かったが、別に伊福部をオマージュするんじゃなく、そのまま劇伴として使っていいんじゃないか。『シン・ゴジラ』でそれを確認したんじゃないか?と思った。権利問題があるのだろうか。
- 各怪獣に明確なキャラクター性(性格というか)を持たせているところはドハティ監督のひとつのストロングポイントだと思うんだけど、ここがちょっと自分が求めているものと違うんだよな。これはただの趣味の違いですが。
- ただ、本当にVSシリーズを好きなんだろうな、というのは伝わってきました。