呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

宇宙戦争

2015/10/5鑑賞

  • 監督:バイロン・ハスキン
  • 50年代のアメリカ映画なので(?)、セットやミニチュアが頻出し、画面の隅々までコントロールされている箱庭のような可愛らしさを感じた。一方で、ピコピコ音的なSEと怪光線、点滅しながら消えていく人間といった昔懐かしいグラフィックが作り物っぽさ含めてどこか人形劇的な不気味さである。
  • リベラルな宗教家を序盤で殺し、人間の軍事兵器はお約束として無意味であり、かくなるうえは科学に希望を託すしかないという風に進むかと思いきやあっさり暴徒に道を阻まれ、最後は宗教的なラストを迎える。一応、スピルバーグ版もこれもウェルズの原作通りのラストだけど、受ける印象はだいぶ違う。
  • スピルバーグ版と違って、全体の俯瞰図が示されるところといい、なんとなくだが『インデペンデンス・デイ』に受け継がれた要素が多いように見える。高橋洋スピルバーグ版を「9.11以降のもっともらしさに依拠しただけ」と批判し、本作の怪光線を擁護するのだが……