呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

狂気の行方

2014/5/31鑑賞

  • 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
  • 実母を殺害した立てこもり犯の話で、動きがほとんど全くない映画である。HOWではなくWHYを追うので腰を据えて小説でも読んでいる気分になるし、オチも脱力させられる。
  • 活劇を予感させながらすべてをハズしていくというか、「絶対に活劇にはしません」と宣言されているような作品なので、緩慢な嫌がらせか拷問を受けているようだった。辛い気分に浸りたいときにどうぞ。
  • 人々の動きが止まったシーンが出てくるのだが、コンピュータで作っているのではなく、完全に人力で静止しているので注視すると微妙に腕がぷるぷると震えていたりする。
  • 映像のルックや、被写体がなんとなしに近年の黒沢清を連想させる。白昼夢っぽい映像に、衣装の選択の仕方、中途半端に近未来的な素材などが特にそうだ。