呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ポール・バーホーベン の検索結果:

ルドガー・ハウアー/危険な愛

…3/24鑑賞 監督:ポール・バーホーベン セックス狂いの男エリックは、外に出るなり女にちょっかいを出し、すぐに自宅に連れて帰っているハメるという毎日を繰り返していたが、ある日赤毛のモデルと出会い、彼女とのカーセックス及び事故に至る運命的な出会いのあと、足を怪我したまま彼女の家に訪問したはいいがすげなく追い出される。そのあとあれこれあって見事彼女に再会することのできたエリックは、彼女の父親の公認の仲となり、母親の反対もいつの間にかうやむやとなり結婚式を挙げる。するとそれまでの性…

グレート・ウォリアーズ/欲望の剣

…/9/3鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 卑しい顔をした聖職者が聖餅を配っているすぐ横では腹の出た女が酒をふるまっている戦場の混沌で、街を奪われた領主アーノルフィニは「なにをやってもいい」と傭兵どもを煽ることで、残虐の限りを尽くして街を取り返すことに成功する。ところが、取り返したはいいものの財宝は奪うわ女は犯すわとやりたい放題の傭兵どもの蛮行が街を覆いつくしており、見かねた領主は、誤って修道女の頭をかち割ってしまったことを悔やむ傭兵部隊の隊長ホークウッドを焚き付け味方にひきこ…

ブラックブック

…8/18鑑賞 監督:ポール・バーホーベン バーホーべンの即物性が強烈にはまった題材で震える。善悪というものがなく、抽象にも抒情にも落ちない。つまりはユダヤ人の女の肉体の魔力に負けてしまうナチ将校であるとか、そのナチ将校の死に泣くと言うよりもただ痙攣するカリス・ファン・ハウテンであるとか、その彼女がインスリンを盛られ目の前にあるチョコをがつがつと頬張る姿であるとかだ。 銃を撃てないと言っていた無神論者テオが「地獄」という発言に反応して激高し、突然相手を撃ちまくるのには笑った。 …

ロボコップ

…7/11鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 敵の攻撃を避けずに真正面から挑むヒーロー。 ロボコップ自体が作中の劇画ヒーローのパロディなのに、デトロイトの現実世界でも、劇画世界と変わりなく大活躍できるというのが最大の皮肉ではないのか。 低予算のせいか、劇画調の作品なのにやけに生々しい撮影だと感じた。 オムニ社内で無人兵器のデモ行われ、誤作動による銃撃で社員が死んでしまうところや、主人公のピーター・ウェラーが殺害されるところも暴力描写が明らかにやり過ぎで笑える。 照準が故障したのは…

エル ELLE

2017/8/26鑑賞 監督:ポール・バーホーベン いつにも増してブニュエルみたいだ。 暴力的なところは暴力的に、猥雑なところは猥雑に。 誰もいないところで年増女が犯されて、ただ猫だけがそれを見ているという鮮烈な冒頭シーンに引き込まれる。 キリスト教はテレビという俗な機械に閉じ込めてしまう。宗教そのものを扱うことは難しいが、機械なら即物的な演出のなかで扱える。 CGポルノゲームといい、企業のトップにいる女性といい、『デーモンラヴァー』を連想せざるをえなかった。

オデッセイ

…ほど言及があるが、最後のワトニーの講演(授業?)シーンでも致命的な発言を控えて明るく務めるマット・デイモンが高貴な人物に見えてくる。 徹底して心理や内面に立ち入らないことで、時折抑えきれず、ほとんど呼吸音として露わになる感情や、痩せた背中などに胸を打たれてしまう。ポール・バーホーベンやグリーングラスのような即物さだ。 そして、あのリボンでラッピングされたような再会シーンの理屈抜きの感動。男女の再会として「回転」というありがちなモチーフを選んでおいて、しかし見たことのない解決!

女王陛下の戦士

…9.28鑑賞 監督:ポール・バーホーベン 148分版を見た。傑作『ブラックブック』の雛形ではあるが、どこか青春群像的なところがあり、ストーリー展開はバーホーベンにしてはややとっ散らかっていてあれほど面白くはない。単純に女王陛下という存在を据えたWWⅡ下のオランダという素材自体やりにくいんだろうけど。 海岸が映るシーンでは、夜の帳の撮影などを頑張っていて、後年に比べると光に拘っている。 謁見中にもかかわらず窓から丸見えの室内でヤってる英国の軍服ブロンド秘書が可愛い。バーホーベン…