2016/2/13
- 監督:リドリー・スコット
- いい映画だった。少なくとも2010年代リドリー・スコットの最高作だと思う。
- やっぱり宇宙飛行士帰還ものの基本はハードボイルドに徹することにある。一人火星に取り残されて、恐らくは酷いことになっていたはずのワトニーの内面について、二度ほど言及があるが、最後のワトニーの講演(授業?)シーンでも致命的な発言を控えて明るく務めるマット・デイモンが高貴な人物に見えてくる。
- 徹底して心理や内面に立ち入らないことで、時折抑えきれず、ほとんど呼吸音として露わになる感情や、痩せた背中などに胸を打たれてしまう。ポール・バーホーベンやグリーングラスのような即物さだ。
- そして、あのリボンでラッピングされたような再会シーンの理屈抜きの感動。男女の再会として「回転」というありがちなモチーフを選んでおいて、しかし見たことのない解決!