呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ヴェルナー・ヘルツォーク の検索結果:

狂気の行方

…5/31鑑賞 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 実母を殺害した立てこもり犯の話で、動きがほとんど全くない映画である。HOWではなくWHYを追うので腰を据えて小説でも読んでいる気分になるし、オチも脱力させられる。 活劇を予感させながらすべてをハズしていくというか、「絶対に活劇にはしません」と宣言されているような作品なので、緩慢な嫌がらせか拷問を受けているようだった。辛い気分に浸りたいときにどうぞ。 人々の動きが止まったシーンが出てくるのだが、コンピュータで作っているのではなく、完…

ノスフェラトゥ

…9/26鑑賞 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 人間の顔を白く浮かび上がらせる極端な照明が、古典映画の表現への懐古というだけでなく審美的に、長回しの中でも崩れることなく映画を支え切っている。 イザベル・アジャーニは鏡に映らず入ってきた吸血鬼を誘うように首筋をあらわにするが、そこには十字架がある。誘惑の仕草が敵意の表明になるのだ。 そんな彼女が吸血鬼との一騎打ちを覚悟し、既に廃人と化した夫へと口づけする瞬間に否が応でも盛り上がる! あれはまるでヤクザ映画の殴り込み前みたいじゃない…