呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ノスフェラトゥ

2013/9/26鑑賞

  • 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
  • 人間の顔を白く浮かび上がらせる極端な照明が、古典映画の表現への懐古というだけでなく審美的に、長回しの中でも崩れることなく映画を支え切っている。
  • イザベル・アジャーニは鏡に映らず入ってきた吸血鬼を誘うように首筋をあらわにするが、そこには十字架がある。誘惑の仕草が敵意の表明になるのだ。
  • そんな彼女が吸血鬼との一騎打ちを覚悟し、既に廃人と化した夫へと口づけする瞬間に否が応でも盛り上がる! あれはまるでヤクザ映画の殴り込み前みたいじゃないか。
  • ペストが広まっていくあたりの街の時間の流れ方が幻想的で楽しい。実は動物がたくさん出てくる映画。