2016/1/8鑑賞
- 監督:リチャード・フライシャー
- リチャード・アッテンボロー扮する「絞殺魔」と、その犠牲となった若夫婦のお話が基本的な本筋。『絞殺魔』とか『静かについて来い』とか、こういうの好きよねフライシャーって。
- なお、女性を横たえようとする欲望がやけに発揮されており、女性が横たわるのを立っている男が見る、という難しいショットを難なく撮り、しかもそのめくれ上がった服を戻して下着を隠すという動作まで違和感なく撮れており、こわい。
- ジョン・ハートは絶えず阿呆のように顔をしかめ続けている。
- 夫婦の喧嘩の場面など視覚的に派手なところもあるが(ここはメリハリある明暗や四人の人物を入れる構図や、部屋の微妙に歪んだ感じなどが常に動き続けるアクションの中で維持・展開されていてすごい)、基本的にはあの大胆な省略を含め、およそ情感というものに欠けた反メロドラマが展開されていく。黒沢清の憧れたリチャード・フライシャーの透明さとはこういうものなのだろうか。