呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

リチャード・フライシャー の検索結果:

恐怖の土曜日

…/4/6鑑賞 監督:リチャード・フライシャー とても視覚的な映画で素晴らしかった。 フランス版ではフリードキンがこの映画について語っているらしい。今回はポニーキャニオンから販売されたブルーレイで見たのだが、ものすごく解像度が高くてディティールがくっきりと見える画質で驚いた。パンフォーカスの映画なので、細部まで明るくくっきりと鮮やかな画質で見れることが快楽につながってくるのだが、オリジナルと同じものなんだろうかという不安がないわけではない。『恐怖分子』をVHSで見てその粗い粒子…

10番街の殺人

…/1/8鑑賞 監督:リチャード・フライシャー リチャード・アッテンボロー扮する「絞殺魔」と、その犠牲となった若夫婦のお話が基本的な本筋。『絞殺魔』とか『静かについて来い』とか、こういうの好きよねフライシャーって。 なお、女性を横たえようとする欲望がやけに発揮されており、女性が横たわるのを立っている男が見る、という難しいショットを難なく撮り、しかもそのめくれ上がった服を戻して下着を隠すという動作まで違和感なく撮れており、こわい。 ジョン・ハートは絶えず阿呆のように顔をしかめ続け…

見えない恐怖

…/2/3鑑賞 監督:リチャード・フライシャー 叔父一家で暮らす盲の少女がある日帰ると、一家が惨殺されているのだが、盲なので気がつかないというアイデアで撮られた映画。 ちなみに殺人犯はブーツを履いた足だけが映される。足だから表情はない。 発見されることのない死体は背景に埋没し、死体の転がる中で送られる日常的動作からは情感が奪われる。そういう倒錯的な世界が現れる時間は楽しかった。家が広くないとできない。死体愛好という感じもある。 発見されてからは良くも悪くも普通。ミア・ファローを…

静かについて来い

…/8/1鑑賞 監督:リチャード・フライシャー 『絞殺魔』の原型。 犯人探しに執着するあまり、刑事は犯人のマネキン人形を作ってしまう。雨の映画だし、女性記者との無言の切り返しがあるし、マネキン人形は不気味だし、なんというか官能的な雰囲気のある映画だ。 最後の工場での犯人との対決では高低差を使ったアクションの連続。 『その女を殺せ』の方が好きだけど捨てがたい。転落死した男の回想で語られる室内アクションは、『その女を殺せ』で見た列車での乱闘を彷彿とさせるもので、どうやら画面手前と奥…

ゲバラ!

…/4/7鑑賞 監督:リチャード・フライシャー いきなりゲバラの死体と当時のニュース映像を分割画面で繰り広げるし、色んな人がカメラを見て話す多重回想形式になっていて、フライシャー!な映画だった。 あまり面白いとは思わないけど、フライシャーの映画における、死体と回想について考えたくなる映画だ。 なにせゲバラの没後二年で撮られているので、前作の『絞殺魔』もそうだけど、ちょうどモンド映画の流れにもあったんかな。 なぜこんなに即物的な死体にこだわるのだろう、と思う。あと、映画で共産主義…