呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

女優霊

2013/1/10鑑賞

  • 監督:中田秀夫
  • とにかく、ラッシュを観る場面が悉く怖い。霊の来歴を調べても、そもそも出自からして架空の存在で、いるはずのない女だというのが怖いし、未現像フィルムの映像は彼が最後に観る光景だったという凄まじさ。
  • あとは、ホラー映画の基本は主観ショットで、恐怖というのは誇大妄想なのだということを確認しつつ、時折ある、艶っぽい暖色に包まれた画面に癒される(ここはちょっとホラー映画らしからぬところだが、中田秀夫は本心で撮りたかったのはホラーではないと、色んなところで知られている。例えば、小中千昭『恐怖の作法:ホラー映画の技術』などを参照のこと)。