呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

2015/3/1鑑賞

  • 監督:フレデリック・ワイズマン
  • 面白かった。素直に、肉眼で絵画を見ることの不完全さ、不確かさについての三時間だと受け取った。
  • 修復の不確かさ、X線や赤外線によって初めて見ることのできる下絵の存在。宗教画や物語絵画にしても、背景を前提に描かれているので単に見るだけで完結することはできない(この場面については、絵画の背景という目に見えないものを説明する学芸員への皮肉という解釈の方が正しいか)。
  • 自然光での鑑賞を前提に描かれた作品が蛍光灯の均質な光の下に置かれることへの批判、あるいは置かれる高さの問題。目に見えないものを介して初めて見えるようになるものもあることも忘れるべきではないという反省くらいはしてみようと思った。
  • 逡巡する生き物と、不動の静物