2018/3/27鑑賞
- 監督:黒沢清
- 90年代黒沢清の才気が感じられる一品。短編だと「花子さん」の次に好き。
- 運命へと一直線に向かうプロットは「花子さん」同様。いじめられっ子による復讐という点も同様。過去の因縁は「花子さん」の方がより複雑に捻ってあって、「木霊」の方が筋を追いやすい。
- 黒沢清は、運命論的なストーリーによって失われた自由を、空間演出のほうで取り戻している、ということではないだろうか。縦構図では人物を次々と動かしていくし、トイレを撮るときなどに顕著な、非人間中心的な移動撮影もこわい。また地図、ホワイトボード、壁面などに浮かぶ不吉な文字が印象的だ。
- ハリー・ポッターシリーズに出てくる「忍びの地図」みたいな地図が出てきた記憶がある。