2018/4/17鑑賞
- 監督:ジョン・ブアマン
- ジョン・ブアマンの仕事は知的かつ上品で、余裕たっぷり。情報の開示の仕方などは極めて親切だ。
- 同軸のカッティング・イン・アクションを活用した感情表現は繊細で教育的にうつった。踊るジュリエット・ビノシュの下半身にカメラをやることで、サミュエル・L・ジャクソン(と観客)に欲求不満を抱かせたり、タバコの共有やベッドの共有を喜劇調に演じさせることで三人の親密さを演出してみせたりする。
- アパルトヘイトにまつわる自己正当化の繰り返しがひとつの主題であり、主役陣ももれなくその射程にある。メロドラマはそこにうまく組み込まれているが、そのおかげでありがちなヒューマンドラマの定型に収まっているように見え、それがひょっとすると映画の飛躍を禁じているようにも思える。以上のような理由で、(手前勝手な話ではあるが)物足りない印象があった。