呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

恐怖省

2018/1/8鑑賞

  • 監督:フリッツ・ラング
  • 凄まじい傑作。ほぼ全編にわたってみなぎる霊気というか、いまにも幽霊が出そうな感じがやばかった。扉が出てくるシーンはすべてもうただ事ではない。
  • どの場面も照明による影のつけかたやレイアウトが漫画のように完璧で、しかもそれがアクションの中でも全く崩れない。絵と違って、セットにせよ役者にせよ全部実際に用意して実際に動かさないといけないし、普通に撮ればある程度は雑味が出てしまうはずである。その制約の中で、ここまで完璧に人工的な美を提出されてしまうと、およそ信じられないものを見ている思いになる。