2016/11/15鑑賞
- 監督:増村保造
- 川口浩がひねくれた正直者で、野添ひとみが素直な正直者。親が牢にぶちこまれているのだが、それでも湿っぽくならないキャラクターである。一本調子でドライな演出がこの頃からすでにあった。
- お冷を貰うために川口の方にコップを突き出す野添の腕を押し返す川口など、『青空娘』ほどではないにしろ、デートという最低限の文脈を用意して、唐突で躍動感のある動きを画面に入れ込んでくるので意味より動きが浮かんでくる(そしてその動きの結果として構図が生じる)。
- ローラースケートにせよ、海に向かって走っていくカップルにせよ、画面奥への運動は、尻から映すべきだということを学んだ。
- 電柱に隠れて待ってる野添ひとみを画面中央に配置するレイアウトとか。いいね。
- 川口浩が、最初あんまり川口浩ではないのだが、どんどん声に張りが出てきて、増村映画の川口浩だーと思えるようになった。
- 「バスト85 ウエスト55 ヒップ87 魅力ない?」「あるよー」「じゃあ愛してよ」。この率直さ、ザ・増村って感じで大好きだ。