2015/7/23鑑賞
- 監督:アトム・エゴヤン
- 通俗的な物語を介して、イメージ論を語っているかのような映画。
- Yahoo!Japan映画のあらすじによれば、アリソン・ローマン扮するジャーナリストが、ショウビズ界に起きたスキャンダルの真相に迫る、とのこと。ケヴィン・ベーコンとコリン・ファースも出演している。
- 面白かったことは面白かったんだけど、まるで高度な語りのテクニックを使った小説のように自由な編集にちょっと混乱してしまった。
- ラストミニッツレスキューを始めとして、映画では空間と時間の即物的な緊密性が編集の強度を高め、むしろそれを重視しない抽象的な編集は映画の即物性に上手くはまらない、という偏見を私は持っているので、実際に編集で時間と虚実を組み替えられると、この作品は映画に向いていないことをしているのではないかと考えてしまうのだ。
- 作中で殺された女と、主人公のアリソン・ローマンと、アリスの三人が、三人とも絵に描いたようにコケティッシュなブロンド美女で、つまり似姿として配置されている。それも、この映画の観客を混乱させる要因になっていて、エゴヤンはつまり「混乱しろ」と言っているのだろう。