砂漠の流れ者
2016/8/26鑑賞
- 監督:サム・ペキンパー
- 仲間に裏切られて水を奪われ、砂漠を放浪したケーブル・ホーグという男がたまたま水源を見つけて救われ、そのままその水源の土地を買い、それを足掛かりにして家を建て、ビジネスを始め、娼婦を妻にしようとする。胡散臭いエロ牧師つき。非常に素朴なアメリカ精神の夢であって、愛おしい。
- ケーブル・ホーグの過去には触れられないが、神に祈り「もう悪いことはしない」と言っている以上、まあ善人でもないのだろう。正当防衛だけど人も殺している。金を貸してもらうために銀行家に「信用してくれ」と言って根拠なしの話を持ち掛け、それを信用する銀行家の返答がある。この紋切型がいい。
- ジェイソン・ロバーツといったら『ウエスタン』のシャイアンを思い出さずにはいられないし、歌もミュージカルばりに歌うし、アメリカ映画が好きな以上、これを嫌いにはなれないな。ほっこりした。なんとなくギャディスの『カーペンターズ・ゴシック』を読みたくなった。
- 私も大好きな映画、黒沢清の『ニンゲン合格』の元ネタらしいけど、結構そのまんま。