ヴァンパイア/最期の聖戦
2024/5/30鑑賞
- 監督:ジョン・カーペンター
- 現代を舞台にした吸血鬼ハンターもの、と言ってしまえばそれで済むんだけど、カーペンターの映画はなぜこんなに面白いんだろう。
- 冒頭、吸血鬼たちの"巣"を襲撃して、親玉以外は根絶やしにしてしまう。ここのアクションが面白い。一軒家の入り口ドアをくり貫いて、鍵をこじ開け、一本道の廊下を歩き、さらにまたドアを開こうとする。シンプルな動線設計だからこそ味わえるスリルとサスペンスがここにある。
- 吸血鬼と人間の腕力の差は大きいので、出てきた瞬間、小銃の弾丸をフルオートでぶち込む。ワイヤーつきの巨大な矢を打ち込んで牽引機で引っ張り、日光の下に晒して焼く。吸血鬼たちは棺桶にではなく、地中に埋まって寝ていて、復活時に地面から現れる。こういった細部も楽しい。
- 続く場面、吸血鬼たちを片付けたのでモーテルに娼婦たちを読んで祝杯をあげているハンターたちのもとを、取り逃した親玉が襲撃する。たった三人だけの生存者(うち一人は娼婦で、しかも吸血鬼化の途中)を残して、いきなり全滅してしまう。この出し惜しみのないシナリオ。派手な展開の連続に盛り上がる。
- あるいは、ここで列挙した内容はカーペンターの映画の面白さに少しも肉薄していないのかもしれない。限られた縦に長い空間で、パワーとパワーがぶつかりあう。そういう、シンプルで抽象的な面白さこそ本質だという感覚もある。
- そしてラストは二人の人物だけが画面に残って、イカしたセリフを吐く。いつものジョン・カーペンターの映画だ。