呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

去年マリエンバートで

2014/3/24鑑賞

  • 監督:アラン・レネ
  • ある男が、ある女に「去年会いませんでしたか」と持ちかける。それが捏造されたものなのか、見たくない過去だから忘却しただけなのか、あるいはその両方なのか。
  • モブや、時には主演の二人さえ自動人形のように見えるのはこの映画の語りの空間において、時間が自在に操作されていることの証しでもあるだろうし、パーティ会場で浮いた時の疎外感の演出でもあるだろうし、とりわけ語りの空間に登場する人間は生きた人間ではなく、男の語る記憶の中に配置される人を模した記号のようなもの、書き割りのようなものだからだろう。