呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

七月のランデヴー

2017/1/10鑑賞

  • 監督:ジャック・ベッケル
  • 痛ましさも爽やかさもある青春群像劇。前半、電話のシーンがかなり続くため、視線も空間も生じなくてかなりじれったい気分になる。クラブの場面では前後左右上下が入れ替わりまくるダンスが、カメラに当たりそうなくらいの勢いで行われてびっくりする。
  • 成功し演説するルシアンを囲む人々と、それを見下ろすのは女優業がうまくいかない女。こういった対比はベッケルの厳しさ。
  • 男女が横に並んでフレームに収まることが恋路の明るさを示していて、男二人が横に並んでフレームに収まると浮気を見つけてしまう映画である。飛行機についている狭い覗き窓は、視線劇を得意とするベッケル的な舞台装置だ。