2017/2/2鑑賞
- 監督:アントワーン・フークア
- 虐殺の続くナイジェリアで、アメリカ人女医を救出するミッションを受けたネイビーシールズの部隊が、倫理的に正しいことをしようとするために地獄を見ることになる映画。贅沢でよかった。『虐殺器官』的風景が見れる。
- ジャングルの緑色と、黒人の黒い肌で構成された画面には美的洗練があるし、ヘリコプターを何機も同時に扱って風を吹かせ、太陽の光を取り込んでいく。これぞハリウッド映画という贅沢さ。手榴弾や地雷が出てくると、とりあえず手足が吹き飛ぶ。
- さっきまでいた村が、死体だらけの土地に変わったところを俯瞰で見せられる。また、虐殺の起きている村を俯瞰で見たあと、その中に入っていく、という近景・遠景を立体的に造形していくところも「虐殺」の描き方として面白かった
- ただ感傷を引き延ばす癖がある。筋立てが感傷的なんだから、個々の描写はハードボイルドに感傷を切っていく方が効果的だと思った。動きつづけることが重要なのだし。このあたりはエドワード・ズウィック『ディファイアンス』の方がうまい。