2019/04/15鑑賞
- 監督:ジョン・リー・ハンコック
- いわゆるボニーとクライドものだが、視点が犯罪者側ではなくそれを追う警察側にある点でやや珍しい。有名な元テキサス・レンジャーの捜査官フランク・ハマーをケビン・コスナーが、その相棒メイニーをウディ・ハレルソンがそれぞれ演じている。
- 冒頭の脱獄シーンはちょっとマイケル・マン『パブリック・エネミーズ』に似ていた。
- ボニーとクライドの顔をはっきりと映さないことで、彼らを有名人ではなく、匿名の怪物として演出している。足元しか映さないのにボニーがトンプソン機関銃の重さに負けているのが分かるところは良かった。
- ケビン・コスナーが古い戦友であるウディ・ハレルソンを仲間に加えようとしてギリギリで思い直して立ち去り、次の場面で銃を大量購入しているとそこにハレルソンが現れる......という流れもいい。基本はドサ回りのクソ仕事で、結末までやや中だるみというか、史実通りにすると盛り上がりは作れないのだろう。
- ボニーとクライドの俳優がまるでガラスを埋め込まれたような目をしてるのも不気味だった。あとこの時代のギャングあるあるだが、死体の扱いがエグい。ボニーとクライドが射殺されたあと、その死体がまるで凱旋パレードに担ぎ出されたかのように車ごと移送されると、二人にファンが群がって、死体を引っ張り、装飾品を剥ぎ取る様子が長々と映される。
- ピンチョンの書いた小説で(どれかは忘れた)、射殺されたジョン・デリンジャーの血をハンカチに染み込ませる女性の話が、聖骸布の逸話と重ねながら語られていたことがあるけど、なんとなく当時の異常さがわかる。
- あと言わずもがなではあるんだが、ジョン・フォードっぽい画面がところどころにあった。