呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

抱きしめたい -真実の物語-

2014/12/27鑑賞

  • 監督: 塩田明彦
  • いわゆる難病もの。
  • 演出、省略、反復の映画であることは確かで、例えばラストで錦戸に日本語で「愛してる」と言わせるために、他の場面では中国語や英語を使わせている。
  • 他にも例えば血の繋がりを示すために、北川景子とその息子に同じ笑顔を作らせ、錦戸とその父親には同じ様に北川景子の盆を支えさせる。
  • 北川景子の死の直前の、交わらない視線劇を見て分かるように(こういう視線劇大好き)、苦しい状況の中でなんとか幸せを見つけ出そうとするシーン選択の巧さは流石で、切り落とした辛い現実は粗いホームビデオに込めることで倫理的なバランスを取っている。
  • 乏しい映画資源から出来る最善を目指す足取りが感じられる。