2024/4/9鑑賞
- 監督:デビット・ロウリー
あらすじ
- 円卓の騎士ガウェインが、クリスマスの日にやってきた謎のグリーン・ナイトとの一騎打ちに挑み、その結果首を切ることに成功するのだが、その1年後にグリーン・ナイトに斬首されるという約束を結ばされたため、それを果たすために旅に出るという話。
感想
- 奇妙な説話、胡散臭い語り口、やたらと生首に関連する出来事ばかり起きるストーリー。ちょっと怪奇映画寄りのファンタジーになっていて、妖しさ満載で楽しい。
- みんな話していた、360度パンするうちに時間がものすごく経過するショット(とそれが逆回転して因果が戻る)はミニ・アンゲロプロスみたいだ〜と興奮していた。
- 語り口の不安定さを示すためなのか?たまに意味のよくわからないところで使われる、斜めに傾いたショット。
- 完璧主義的な画面で、タルコフスキーやキューブリックの影響や参照を感じつつも、大作志向がなく、本人初めての120分越えでも軽妙さが残っていることがよかった。
- 色々と絵解きができる部分があっても、円環、緑(植物)、死(斬首)といった要素がすべて時間経過という映画のメディア特性にかかっていくから言語的になりきらないのかも。360度パンは、カメラが動いているあいだにフレーム外にある事象が変化しているかもしれないという映画らしいサスペンスになるわけだし、斬首はいわずもがなのスペクタクル(転がるところがなおよい)だ。さらにいえば斬られるのを待つ時間こそが宙づりのサスペンスであり、上下反転のカメラは脚本がリアリティを外れていく酩酊感に呼応している。
- インタビューで答えていた、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの名前とか、コッポラ『ドラキュラ』を参照しているという話とかはなるほどという感じ。本人が挙げている『デッドマン』も近い映画だよね。『スリーピー・ホロウ』もそうだよね
- 、という感じでインタビューの内容は結構正直に答えているのではないかと思った。ブレッソンの『湖のランスロ』も当然のように挙げているけど、まあアーサー王物語×斬首といえばこれだ。それ以外の共通点はあまりないかもしれないが。