呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

デヴィッド・クローネンバーグ の検索結果:

ザ•ブルード/怒りのメタファー

…/10/23 監督:デヴィッド・クローネンバーグ そういう鑑賞方法は品がないと思うが、妻と離婚訴訟中+子の親権争い中というクローネンバーグのプライベートな事情がモロに出ているので、作中に出てくるラグラン先生の「怒らせるなよ」が大変笑える。ただ、恐妻とその配下のブルードたちの造形があまりに病んでいるのでドン引きした。 『映画の生体解剖』で本作を例に出して、パラノイア感覚や、神話的な「悪」の造形といっていたものが分かった気がする。同書は悪役が病んでいるのは好きではないらしく、ザ•…

イグジステンズ

…2/23鑑賞 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 脊髄にバイオポートという穴を開け、生体ケーブルを挿しこみ、ゲームポッドと人体を直接つないでプレイするヴァーチャルリアリティーゲームが流行している未来で、アンテナ・リサーチ社から発売される、天才ゲームデザイナーのアレグラ・ゲラーの新作「イグジステンズ」の発表イベントがなぜか教会で開催されており、そこでは一般客とアレグラ・ゲラーが一緒にそのゲームを体験することができるらしいが、ゲームが始まってすぐに、遅れ入ってきた青年の持っていた…

マップ・トゥ・ザ・スターズ

…1/18鑑賞 監督:デヴィッド・クローネンバーグ ハリウッドゴシップ話かと思えば割に古典的な悲喜劇へともつれこんでいく。クローネンバーグらしいと言えばらしいし、オチが優しいこと以外はむしろ初期の作風に戻ったのかもしれない。 報道などで聞こえてくる話を総合する限り、クローネンバーグはもうあまり映画に興味ないらしいけど、もっと暴れて欲しいというのが正直なところだ。 女優の役割が大きいのは好み。もちろん、子役俳優の体型の不気味さだとか、銃の暴発場面や、よく分からないが個性的としか言…

コズモポリス

…3/27鑑賞 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 2回見た。原作はドン・デリーロの同名の小説。同年の『ホーリー・モーターズ』とリムジン映画として不思議な一致を見せたことも印象深い。 若き大富豪であるエリック(ロバート・パティンソン)は、リムジンに乗ったまま床屋に行こうとするが、NYには大統領が来ているので大渋滞が起きており、それに一日かかってしまう。その間に色々な人物がリムジンに乗って来てエリックと様々なことを喋る。 クローネンバーグなので画面は相変わらず、理知的で頭痛がする…