2023/6/26鑑賞
- 監督:タイ・ウェスト
- 1979年、テキサス。ポルノ映画の撮影にやってきた若い男女が、ロケ地として借りた田舎の家屋でポルノ映画の撮影をしていると、案の定酷い目に遭うという話。
- 蝿の羽音から入るファーストショットは、同じく音から入る『悪魔のいけにえ』に対する目配せを感じた。家の戸口の雰囲気とか、ヒッピーたちの乗るバンとか、かなりの要素を『悪魔のいけにえ』から拝借しているのでとりあえずインスパイアと言っておいた方がよいのではないか。
- とにかく理知的な脚本なので、老夫婦の正体を明かすしかない後半がまるで盛り上がらない。ホラーに理由はいらないどころか、害悪だ。理性の侵入を許すな。
- 前半は、唐突に路面にぶちまけられている牛の臓物や、池で鰐に追われる様子を俯瞰で捉えたショットなど、神の視点を意識させるような冷徹な雰囲気がうまく出ていてよかった。
- 心霊要素なしで、不快感をベースにしたホラーだから、老いに対するアプローチがかなり変態的でそこがかなり見る側としては辛かった。(同情できる理由を入れているのが今風だけど、それじゃホラーにならない)