呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

デンジャラス・プリズン

2020.12.01鑑賞

  • 監督:S・クレイグ・ザラー
  • 上映時間132分という長さを感じさせない映画だった。出来事が起きるテンポが早くて、一箇所に留まることが少ないからか。展開のきっかけがほぼ全て暴力というのもいい。ストーリーの推進以外のあらゆるものが削ぎ落とされていて、脇道が全くない(どこで警察の手入れに気付いたのか観客にはわからないまま、いきなりバッグを海に捨てるスピード感)。ただし、ここまでバイオレンスな内容なのにオチが道徳的なのは好きじゃなかった。
  • 前作『トマホーク ガンマンvs食人族』の弱点だった近景や室内での会話が改善されていた。むしろ独特な間や、引きのショットの多さ、デタラメな話を淡白に撮る感触など、作り手が目指していたことが何なのか見えてきた。
  • 洞窟みたいな閉塞空間で、複数の人物のアクションを全身が映るサイズで納めるというのがトレードマークのようになっている。他にも画面外から何か飛んでくるアクションが多い。今作だと妻襲撃時の吹き矢と、レッドリーフ刑務所で仇敵四人をぶちのめす前に投げられる警棒などがそうだ。
  • ジョークを飛ばすタフガイを演じるヴィンス・ヴォーンには、ちょっとブルース・ウィリスを連想した。小粋なセリフが全く様になってないところもいい。