呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

ジム・ジャームッシュ の検索結果:

リバー・オブ・グラス

…だと思った。例えば、ジム・ジャームッシュ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とか、レオス・カラックス『汚れた血』、ハーモニー・コリン『ガンモ』などを見たときのような興奮や確信だ。 ファーストカットは静止画の写真にナレーションをかぶせたもので、それが何枚か切り替わっていくと(顔写真にナレーションが被さり、どうやら語り手の出生から思春期までの道のりが、自伝的に物語られているようだ)、やがて粗い画質のホームビデオで撮影された情事の場面に入り、するすると自分が住んでいる場所の前の住人…

泥棒成金

…まえると、この映画はジム・ジャームッシュの『リミッツ・オブ・コントロール』の先祖の一つなのかもしれない(あれも着替えの映画だった)。 花火を背景にしたラブシーンで、グレース・ケリーが背後に下がって顔が真っ黒になり首筋の宝石だけが怪しく光るところが、緑の光も相まって『めまい』を髣髴とさせた。 猫顔のブリジット・オーベールがダブルヒロイン制の常として、グレース・ケリーの他に配置されており、「水着姿で横になったところを横長の画面で撮る」という当時最新の技術を利用したサービスシーンも…

リミッツ・オブ・コントロール

…2/17鑑賞 監督:ジム・ジャームッシュ 『コズモポリス』と似ているが、静かだ。そして赤い。 最後に余計なメッセージを入れてこちらを白けさせなければジャームッシュ最高傑作だと思ったのに。 とはいえ、それでも痺れてしまう。悔しい。 色んな人間と会って、最後に目的地に着くというのは探偵ものの筋立てだが、フィルムノワールの小道具を意図的にズラしつつ、衣装を着替える映画として成立している節がある(だから本作の遠い親戚はヒッチコックの『泥棒成金』だと勝手に考えている)。ホテルの変更、衣…