呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

アルフレッド・ヒッチコック の検索結果:

泥棒成金

…/3/4鑑賞 監督:アルフレッド・ヒッチコック ブルーレイで見たら、驚異的な画質にびっくりした。 50年代のカラー映画がこんなにくっきり見えることなんて経験したことがなかったので、そういう意味でもびっくりなのだが、それ以上に映画自体がくっきり隅々まで見ることを許してくれていることが大きい。 本作はヒッチコックとしても初のワイドスクリーン(スタンダードサイズより横長の画面)であり、新開発のビスタビジョンで撮影されているわけで、画質も依然より向上し、画面も大きくなったということで…

恐喝(ゆすり)

…1/22鑑賞 監督:アルフレッド・ヒッチコック アニー・オンドラがヒッチコック女優の中でもトップクラスに美しい。 ヒッチコックはサイレント時代から音に溢れているが、トーキー第一作だけあって音に対する目配せが至る所にある。 ピアノ、口笛、鼻歌、鳥の囀り、「ナイフ」という言葉の連呼、割れるガラス。そして何より本作の核となるのが、電話ボックスを初めとして、空間をドアで切り分けた上で音を閉ざし、秘密の会話を繰り広げるところ。 ちゃんとドアが開いた時に外から漏れる音が聞こえる。 ピエロ…

ファミリー・プロット

2013/12/4鑑賞 監督:アルフレッド・ヒッチコック インチキ霊媒師を演じるバーバラ・ハリスがとにかく可愛い。霊媒に、麻酔注射に、ダイヤ発見に、とにかく演技をする女で、猛禽めいた可愛さ。 ヒッチコックは拳銃を固定させて使い、役者に自由な取り回しを許さない。でも晩年は崩れかかっているので、あと10年撮っていたらどうなっていたのだろう。 それにしても巨匠の遺作はどれも面白い。それは、ヒッチコックのラストカットはこれなのか! という感慨や郷愁以上のものだ。

三十九夜

2012/12/24鑑賞 監督:アルフレッド・ヒッチコック 傑作。 ヒッチコックお得意の巻き込まれ映画で、主人公が追われるためにありとあらゆる理不尽が逆算で配置されていく。その視点の制御の完璧さに息を呑んだ。サスペンスとは、窓を通して誰かを盗み視ることであり、電話が鳴ることであり、カーテンが揺れることなのか。 女性と口づけをして追っ手をごまかし、胸ポケットに入れた聖書で銃弾を防いで助かり、手錠で繋がれた二人の男女が......というコテコテの要素も。