呉衣の映画トンネル

映画の感想(ネタバレ有)を置きます

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

2022/5/8鑑賞

  • 監督:ジョン・ワッツ
  • 前作でミステリオによって全世界に正体が知られたピーター・パーカーは、恋人のMJ、親友のネッド共々大学受験に失敗し、第一志望のMITにも落とされてしまう。しかもマスコミやクラスメイトからはゴシップの種として追われる日々が続くので、あまりにも悲惨だと考えたピーター・パーカーは、事態を終わらせるためにかつて共にサノスと戦った盟友ドクター・ストレンジに頼みごとをするのだが、ストレンジが事前に再三止めていた呪文の変更を何度も依頼してしまい、魔法は破綻しかけ、別世界の住人が導かれてしまうのだった。
  • 冒頭、当局の捜査を受けて釈放はされたもののマスコミに追われているピーター・パーカーのもとに盲目の弁護士が現れ、自分のような腕利きの弁護士が必要だと諭す場面で、突然窓を破って飛んできたレンガを、その弁護士はピーターよりも早くノールックで掴むのだが、マーベル世界で盲目の弁護士なんてそれはマット・マードックデアデビル)に決まっている!と興奮してしまった。
  • しかしマードックの出演はこの場面のみで、カメオ的に、あるいは将来のクロスオーバーを示唆するために出ただけのようだった。この映画で一番興奮したのはここかもしれない。だって、デアデビルだぜ? これ最近やってたドラマ版の方のキャストかな。
  • ネタバレで話題になったように、ドクター・ストレンジの失敗によりマルチバースが開かれてしまい、今までのスパイダーマンの映画から様々な演者が再来してくる。
  • 全体的には、前半は快調、中盤はマルチバースネタで往年のファンは楽しく、ラストバトルの自由の女神像のあたりは段取り染みて退屈してくる、というところだろうか。リザードの扱いに困っていた感はある。エピローグの部分は王道だがいい。
  • 『ヴェノム』の終盤でも思ったけど、日常感のない場所で戦っても地形利用が面白くないよね。サム・ライミ版『スパイダーマン2』の美点はやはり電車という、よく親しんだ物体をあれやこれやと扱うところだろう。
  • マルチバースもコミックだとよくあることだし(実写映画だと色々と大変だろうが)、終盤のMJとの別れもヒーローコミックの王道的展開だし、「そんなのありかよ」とは思わなかった。
  • 決して短い映画ではないが、ガーフィールドが今回はMJを救う、という展開ひとつとっても、要素に対して上映時間が十分ではなくて、ToDoリストを消化しているように感じてしまった。テレビドラマとかでじっくり見ればまた感想は違うのだろう。