2020/04/11鑑賞
- 監督:ジョニー・トー
- 鈍器と刃物だけで構成された凄惨なヤクザ映画。毒々しい緑と、深い黒も映画の凄惨さによく似合っている。
- ほとんど説明なく展開して、息が詰まるような緊張感がずっと続く。その中でニック・チョンとルイス・クーの関係にだけ感傷が残っているのだが、ヤクザ映画はこのくらいのバランスでいいんじゃないだろうかと思わされる。
- サイモン・ヤムの最後や、ヤクザの殺し屋たちが白昼堂々刃物を抜いて歩く様子、トラックの後部が開いたあとに見える意外な光景なども目に焼きつく。音楽の使い方も印象に残った。
- このところ映画不感症だったのが吹き飛んだくらい面白かった。
- 難点として、ルイス・クーの妻が書割りでしかなく、存在意義が薄く感じた。もちろん彼女は、裏社会を抜け出しあとに待っている日常の光景、希望の象徴でしかなく、中身は詳しく作っていないのだろうし、作る必要がないのかもしれないが。